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2023年4月号

2023年3月号(Vol.318)ダウンロード

2023年3月号1-8面

(1261KB)

2023年3月号2-3面

(945KB)

2023年3月号4-5面

(867KB)

2023年3月号6-7面

(945KB)

2023年3月号1面~4面

1面

県内初!在宅医療のワンストップを実現

医療、介護のあらゆるニーズに対応する革新的体制を構築!

 今、高齢化の問題に直面している日本。介護保険制度が始まり医療や介護の在り方も変わってきた。しかしまだまだ様々な課題は山積している。そのような課題に向き合い、在宅支援を通じた地域貢献と介護における革新的なシステムの構築を目指す企業がここ稲毛にある。株式会社在宅支援総合ケアーサービスの代表依田和孝氏に話を聞いた。(取材 令和5年2月13日/㈱在宅支援総合ケアーサービス事業所にて)

稲毛新聞(以下・稲)この会社を立ち上げたきっかけは?
依田社長(以下・依)以前は銀行に勤めていました。その中で
病院の融資を担当していましたが、この国の医療の在り方や今後を考えた時、医療業界で役に立てないかと思うようになりました。医療制度について学んだことで自分にも何か出来るのではないかと…。
稲・拠点に稲毛を選んだのはどのような理由ですか?
依・訪問看護ステーションは医療法人ではなく、株式会社で医療行為が出来ることを知り、知り合いの看護師と二人で始めました。稲毛という土地は銀行時代の担当エリアだったことで地の利があり、訪問看護のルートを組むのに効率が良かったですね。また一緒に始めた看護師が稲毛居住だったことも理由のひとつです。
稲・最初にどのような事から始めたのですか?
依・まず訪問看護ステーションを立ち上げ、ほぼ同時期に居宅介護支援事務所を作りました。そこでケアマネージャーを採用して、介護を必要とする方とサービスを提供する事業者を繋ぐことから始めました。当初は苦労しました。必要とされている分野であるとはいえやっていることは営業ですから。しかし需要の多さにも驚きました。次に訪問介護、訪問入浴、更には訪問薬局や訪問診療までニーズに応えられるよう医療の幅を広げてきました。
稲・総合的なサービスの提供を考えていた?
依・医療や介護を必要としている方は様々な状況にあります。どのような形にも対応できるような体制が必要だと考えました。診療所を買い取ったのもそのひとつです。これにより胃カメラなどの検査や健康診断なども自社で行えるようになり、総合病院のような体制を在宅でも可能に出来ました。
稲・利用者にとっては様々なサービスが受けられるのは利便性が高いですね。そこに至る苦労などはありましたか?
依・やはり多く語られる看護師の離職でした。病院勤務と訪問看護の違いでしょうね。病院では患者は看護師の言うことを聞きますが、訪問看護では患者(この場合はお客様)が自由に動けるようサポートするのが仕事、この意識改革が大変でした。また看護師、保育士、介護福祉士、栄養士、薬剤師などをひとつのチームとしてまとめ、全社員が利用者ファーストで同じ方向を向くことに苦労しました。
稲・状況が変わっていったきっかけは?
依・それはもうしっかりとした社員教育だったと思います。企業理念が「挑戦と貢献」です。これを伝え、考えてもらい「自分の仕事は労働ではなく、人を助け命を預かること」と認識してもらうことを実践してきました。少し時間を要しましたが今では社員みんなが同じ志で同じ方向を向いてくれています。今は人が病院で亡くなる時代ではなくなっています。治療を要しない人は帰されます。そうなるとあとは在宅医療が支えなければなりません。当初は「医療」を目的としていましたが、今は「自宅での生活を支えること」を目的としています。また介護が必要な方のみならず、その家族も助けなければなりません。
稲・具体的には?
依・例えば医療ケアが必要な子供のための保育園、「ナーサリーホーム小仲台(千葉市稲毛区)」の運営です。これは千葉県内で初めて認可を取得しました。このような子供は普通の保育園には通えません。障害児施設は保護者の付き添いも必要なのですが、ここは看護師を常駐させているので、母親は安心して仕事をすることができるのです。このように支援が必要な方の家族をも助けることが出来るのです。
稲・今後目指すところは?
依・組織が少しずつ大きくなってきましたが、それぞれの部門の連携をしっかりと確立して、よくある縦割り組織ではなく、全体で何とかしようとする組織、いわゆる「在宅医療のワンストップ支援」のチームを作り上げたいと思っています。利用者とその家族が安心して暮らせることのお手伝いをさせていただくこと、それを通じて地域に貢献することが私たちの目指すところです。それの実現に向けてまだまだ頑張る所存です。
稲・本日はありがとうございました。


2面
稲毛区防犯公開講座開催
在宅中やゴミ捨てのときも戸締りを習慣に

 先月5日、千葉市主催の政令指定都市移行30周年記念事業「稲毛区防犯公開講座」が穴川コミュニティセンターにて開催され、自治会役員や防犯パトロールを行う地域住民などが参加した。
 第1部はメディアでもお馴染みの防犯ジャーナリスト、梅本正行氏が登壇。「地域を守る目と知識」をテーマに、日本の防犯の実態を知り、侵入しにくいまちづくりを実現するために地域や個人でできることを考えるという内容だ。
 自治会の防犯パトロールの際に、知人宅を訪問し抜き打ち玄関チェックを行う「Aランクパトロール」の説明もあった。これは防犯パトロール中に知人宅の玄関を開けて「玄関の鍵が開いていますよ。戸締りしてください」とお願いするというもの。これだけでも普段の防犯パトロールがより効果的になるとのこと。そもそも空き巣など窃盗の被害にあった家の半数は、鍵がかかっていなかったというデータもあることから「ちょっとそこまでゴミ捨て」という短い間でも常に鍵をかける習慣を身につけることが大切だという。
 他にも在宅を知らせるため、夕方薄暗くなったら早めに家の中の灯りを付ける。留守中でも部屋の灯りが自動で付くようにしておく。垣根などで敷地内が見えないのは空き巣にとって好都合のため、垣根は人の頭が出るくらいの高さまで剪定して、外からも敷地内が見えるようにしておく。
防犯砂利は音がしっかり鳴るように厚さ5センチは敷き詰める。敷地内にセンサーライトをつける。庭先の洗濯物で家族構成や独居がわかってしまうので、タオル類で隠して干すか室内干しにするなど、防犯対策として普段から気を付けるポイントをわかりやすく講じた。
 第2部は千葉北署から最近多発している事件や対策について説明があった。特殊詐欺対策としては、電話は常に留守番電話にするか「この会話は録音されています」というメッセージが流れる設定にすること。特殊詐欺は固定電話にかかってくることがほとんどなので、固定電話を解約してしまうのも一つの手だという。また、最近増加しているのは、電動自転車のバッテリー盗難だ。面倒ではあるが、バッテリーは家の中で保管したほうがいいなど、日常生活での防犯対策を呼びかけた。
 今回の講座に参加した稲毛区柏台在住の60代男性は「すぐに役立つ実践的アドバイスばかりで勉強になった。こうした講座はもっと多くの住民に参加してもらいたいので定期的に開催してほしい」と話した。
 自治会の防犯パトロールはそれだけでも防犯意識の高い地域というアピールになり、大変心強い存在だ。しかし凶悪な事件が多発している今、私たちは自身や家族の大切な命と財産を守るために大切なことは一人ひとりが防犯を心がけることだ。在宅中は鍵をかけないなど長年の習慣を変えるのは難しいかもしれないが、新たな生活習慣を身につけて被害に遭うリスクを少しでも減らしていくしかない。



連載
櫻井俊雄物語 千葉の近現代史を創った男の話
武田弥太郎
第33話「地上戦か空中戦か」


 今月31日には統一地方選挙が始まる。千葉市議会議員と千葉県議会議員の4年に一度の改選が行われる。日本維新の会や参政党など、市議選、県議選に初めて公認候補を擁立する政党が複数見込まれているほか、花見川区、若葉区で1減、中央区、緑区で1増の定数変更が実施され、加えて有力議員の引退や市議から県議への鞍替えも相次いでいることから、例年以上に注目を集めるのではないかと俊雄は感じている。
 選挙戦はよく、「地上戦」と「空中戦」と評される。普段からの地域周りを重視し、お祭りや様々な行事に出席を欠かさず、地域に浸透していく進め方を「地上戦」、別名「どぶ板選挙」ともいう。「電信柱にも頭を下げる」と揶揄されるのがこの戦い方だ。主に保守系候補者が得意としており、強固な地盤につながる。一方の「空中戦」は、マスメディアへの露出や、SNSなどのインターネットを駆使したり、ビラの配布、街頭宣伝、駅頭での活動などを中心としており、若い候補者や比較的新しい政党が力を入れている。
「地上戦」は高齢者に浸透しやすく過疎地になじみやすい。「空中戦」は子育て世代や都市部に向いており、それぞれの選挙区事情により、各陣営が戦い方を選んでいる。「地上戦」が強固な地盤を作るのは間違いない。それは有権者に「おらが先生」の意識が浸透するからだ。古くからの保守政党の強みはこれだ。「何があっても〇〇党」の発想につながり、風に左右される余地が少ないからゆるぎない。「空中戦」は風が吹くと途方もない力を発揮する。かつて政権交代を実現させた国政選挙や、若い首長が誕生した選挙などでは、強固な地盤ですら吹き飛ばしてしまったくらいだ。
 強固な地盤を誇る「地上戦」は投票率の高い中高年以上の世代に浸透しやすく、候補者にとっては強力な武器になる半面、将来的にはどうだろうか。以前はネットを利用した選挙運動は認められていなかったが、公職選挙法改正後は一部が解禁され、時代の変化が始まっている。電子投票の研究も進められており、これらが導入されると選挙戦の様相は激変すると俊雄は指摘している。ある元外国首脳は「日本の選挙は異常だ。こまめに訴えを届ける戸別訪問を禁じているのはおかしい」と語ったが、同じ民主主義国家でありながら、選挙のやり方が違いすぎることで、日本の選挙制度は驚きだという。
 選挙制度が変わり、全世代で投票率が上がったら世の中が大きく変わるかもしれない。選挙に行かない人にとっては「私には関係ない選挙」が、「ちょっと気になるやつが出ている選挙」に変化し「今度の選挙では誰に入れようか」と意識が変わり、投票率向上につながるのではないか。
 選挙は18歳からになったが19歳の投票率がかなり低いのはなぜか。住民票を親元に残したまま進学したら、実家の地区の選挙には遠距離で投票できず、居住地の選挙には住民票がないから投票できない現状も若者の選挙への関心が薄い一因かもしれない。電子投票や郵便投票については、不正防止の観点から導入に慎重な意見が根強いが、私たちの意見を最大限反映させるためには、何らかの制度改革が必要だと俊雄は痛感している。


随想
おやま人形とおひな様
鎌ヶ谷市・元稲毛小校長 島津幸生

 今から56年前、はじめてもらった月給で買ったものそれは玄関の靴箱の上に置いた四角い水槽と金魚であった。
 次の月に買ったもの、それは部屋に飾る日本人形であった。人形の分類で言うとおやま人形(人形師の小山次郎三郎氏にちなんで呼ばれるようになったそうで女性型で和服の日本舞踊の衣装を着ているのが一般的)というそうで高さ68センチ横40センチ奥行き40センチのケースの中に紫の着物で扇子を持ち日本舞踊をしている高さ53センチほどのもので、浅草の人形店街で買ったのであるが、大きな店何軒かを巡ったが気に入ったのがみつからず露地のような所に入った小さな店で、これだとみつけて購入、たしか当時1万円だったような気がしている。
 日本人形には市松人形、木目込人形、土で作られた博多人形、東北地方で有名なこけし人形がある。それぞれにそれぞれの場所に飾られたりしまわれたりしている。こけし人形の一部がテレビなどで高い値段がつけられているものもあるが興味はない。フランス製のアンティークドールと言われているものも同様だ。もう一体顔が布製でおしゃれなピンクが主体のドレスで目が大きな日本製の女の子の人形(ケース60×40×40)、いただきものだが気に入っている。
 次に買った人形はひな人形であった。女の子が生まれ、親として子が健やかに育ち幸せであるようにだが、今回は一人では決められない買い物となった。これも浅草に買いに行った。ケース等に入っているセットものではなくお内裏様とお雛様と附属品を単品で購入した2体で40万円だったが知人の紹介で3割引きの価格で購入することが出来た。今残念なのはおひな様に合う御所車を買わなかったことだ。
 ひな人形と言えばお内裏様とお雛様の並べ方であるが、一般的には左にお内裏様、向かって右にお雛様を置いているが古来では逆で右にお内裏様、左にお雛様を並べていたとのこと。現在と昔で並べ方に違いができたのは昭和天皇の即位大礼のさい天皇、皇后が西洋式(左に男、右に女)に並び写真撮影をしたからとのことで、私は古来から続く行事だしおひなさまは日本式並べ方が良いと思うのだが。


3面
千葉ウシノヒロバ (株式会社千葉牧場) 千葉市若葉区
https://ushinohiroba.com/

キャンプ場兼牛の預託施設。「牛と人と自然が、穏やかに交差する場所」をコンセプトとして2020年にオープン。キッチンカー型のバーや、近隣の産品を集めたショップなど、キャンプ以外の魅力も充実している。
人が自然と向き合い、気づきを得る機会を創出する取り組みが評価され、2022年のグッドデザイン賞を受賞した。


 小紙編集部記者・稲しん子が今回伺ったのは、牛のいるキャンプ場「千葉ウシノヒロバ」です。自然豊かな若葉区の地に広がる開放感たっぷりの敷地。レトロだったりモダンだったり、何気にお洒落な建物。こんな素敵空間を作り出せる理由を探りに、代表取締役の川上鉄太郎さんを訪ねてきました。

地域のために何ができるかを
これからも考えていきます

牛の暮らす場所で、次の世代に繋がる仕掛けを作りたかった

稲しん子(以下・稲)名刺には「株式会社チカビ」とありますが本来は何をなさっている会社ですか?

川上さん(以下・川)デザインコンサルティングです。経営コンサルティングからウェブサイトやポスターのデザインまで、幅広く行っています。

稲・キャンプ場を手がけることになったきっかけは?

川・6~7年ほど前から千葉の企業から仕事を依頼されるようになり、その流れで自治体ともお付き合いができました。九十九里町では、保育園の跡地を活用してピーナッツバターや発酵食品の工場「LOCAL FACTORY(ローカルファクトリー)」を作りました。それから印旛郡栄町でインバウンド向けのバスツアーを企画したり、酒々井町のパークゴルフ場跡地に「MONOW(モノー)」という実験的モノづくり施設を開いたりしてきた中で、千葉市からお声掛かりをいただいたことが「千葉ウシノヒロバ」のスタートです。

稲・牛とキャンプ場の取り合わせって、考えてみると、ありそうでなかった形です。

川・この場所はもとは千葉市が50年ほど運営していた乳牛の育成牧場でした。酪農家から仔牛を預かり、2年くらい育てたら返してあげるという預託施設です。牛の保育園みたいなものですね。運営を民間に任せたいと、当社に打診が来ました。

稲・キャンプ場より牛が先だったのですね。

川・牛の育成を引き継ぐことが前提条件でした。私たちとしては、せっかくなら地域の歴史をひもときながら、さらに次の世代に繋げていけるような仕掛けを作りたいと思ったんです。

稲・それでキャンプ場も?

川・キャンプ場を主軸に、地域の方々と連携しながらマルシェやイベントを開催する交流の場として運営しています。

稲・マルシェではどのようなものを売っているのですか。

川・地域の農家さんから仕入れた野菜などですね。自作のキッチンカーを出して、牛乳のカクテルや千葉県産のクラフトビールを売ったりもしています。

稲・私、南房総市出身なのですけれど、地方の人って保守的で、地元の魅力にまったく気づいていなかったりします。地域とのコミュニケーションで苦労された点もあるのでは?

川・ここをオープンするに当たり、周辺を挨拶に回ったのですが、
「こんなところに誰が来るのか」と、ものすごく言われました(笑)。でも、キャンプ場は開業前から注目され、現在もおかげさまで盛況ですし、マルシェにもお客様がたくさん来てくださっています。

稲・マルシェで野菜が売れれば農家さんも嬉しいですよね。

川・最近では農家さんの方から「こういうものを売ってみたいんだけど」というアイデアが出てくるようになりました。

マルチスピーシーズとリジェネラティブ

稲・運営する上で大事にされている理念は何でしょうか?

川・根っこの部分にあるのが「マルチスピーシーズ」という概念です。生物多様性に近い意味合いなのですけれど、地球上には動物や微生物、植物など様々な生物が存在します。人間という種はあくまでもその中の一つに過ぎず、地球という大きな生命サイクルに組み込まれてることに対し、もっと真摯に向き合う必要があると思います。SDGsやサスティナブルといった言葉がこの数年で世の中に広まってきましたけれど、まだまだ表面的です。

稲・具体的にはどうなさっているのですか?

川・例えば、牛舎は「アニマルウェルフェア」という考え方に則って設計しました。できる限りストレスや不快感の少ない飼育環境を作ってあげることを目指して完成したのが、天井が高くて風通しが良く、1頭あたりのスペースも広く確保した、清潔さを保ちやすい牛舎です。もちろん、実際に快適かどうかは牛に聞いてみないとわかりませんが(笑)、思いやるという姿勢が大切なんです。そういう考え方を、キャンプのお客様や、フリースクールで来てくれる小中学生たちに伝えられるといいなと思います。

稲・牛舎を拝見しましたが、牛さんたちは気持ちよさそうに寝そべっていましたよ。

川・私は会社で「リジェネラティブデザイン」を担当しています。リジェネラティブとは、サスティナブルを一歩先に進めた考え方。例えば、ゴミを減らすということについても、マイナスをゼロに近づけようとしているだけで、プラスになっていないわけです。だからもっとプラスを生み出さなくてはということで、いまトレンドになりつつある概念がリジェネラティブなんです。

稲・ウシノヒロバの施設づくりも、リジェネラティブの発想を取り入れていらっしゃるのですか?

川・象徴の一つが、総合案内所の「センターハウス」。もともとあった古い倉庫を再利用しています。普通なら取り壊すのでしょうけれど、取り壊せば建築廃材が発生し、環境負荷を増やしてしまう。その課題をデザインの力で解決しました。受付のカウンターもテーブルもすべて廃材です。
稲・すごくお洒落です。錆びた牛乳缶とか古いアイテムも上手に活かされていて。レトロ好きにはたまらないです。

川・ここでお客様が寛ぎを感じてくれて、充実した気持ちやポジティブさが生まれたとしたら、それもプラスなのですよ。

稲・では今後もマルチスピーシーズやリジェネラティブといった考え方をベースにした活動を?

川・そうですね。去年から、牛糞を原料にした紙作りを実験しています。今は品質をどう上げようかという段階まで来ているんです。普通の紙のように加工したり絵を描いたりできるようになったら、アーティストさんとコラボレーションして、牛糞紙アートを制作し、畑の上でインスタレーションのように展示したい。もとが牛糞なので、自然に朽ちていけば畑の土に還ります。その畑から育った野菜を収穫する、というところまでやりたいんですよ。

稲・自然のサイクルをアートで見せるって壮大ですね。

川・そこまでやれば、けっこう伝えたいことが伝えられるのではないかと思うんです。あとは地域に対してもっと関わっていきたい。近隣の主婦の方々などが気軽に立ち寄ってくれるような、例えば習い事とか、地域の方を対象としたサービスを準備しているところで、年内には始められると思います。

稲・今日は勉強になりました。ありがとうございました。


4面
千葉市役所新庁舎が竣工

 千葉市民待望の新庁舎が竣工した。老朽化による耐震性の問題や機能効率の向上を図るため建設されていたがこのほど完成、先月18日に竣工式典が行われた。 地上11階建ての新庁舎は、総合防災拠点として基礎免震構造、災害時のバックアップ機能を備え、太陽光発電や高断熱性能など省エネルギー機能を実現、だれでも利用しやすいユニバーサルデザインを採用し、臨港プロムナードやみなと公園に隣接、千葉都市モノレール市役所前駅とも直結し利便性が高い。「市民ヴォイド」と呼ばれる開放的な空間は、売店やレストラン、イベントスペースなどで構成され利用する市民も多いだろう。
 千葉市は人口約98万人、全国12番目の政令指定都市でもあり、市制100年、政令指定都市移行30年を経た県都千葉市の新しい顔として市民の暮らしを支えていくことになる。

いなさん団地だより②
稲毛海岸三丁目団地管理組合法人

 今回は「稲三サポートの会」の活動について紹介します。 現在27名のサポーターが団地内居住者を対象に、年間約750件の会員からの支援要請 (資格が必要な場合は業者を紹介)に対応しています。
 会員は入会時に千円の入会金を納める必要はありますが、それ以降の利用は1時間まで5百円(ごみ出しは1回当たり50円)を支払うこととなっており、現在76名(全戸数の約1割)が会員登録しています。
 次に支援内容ですが、①買い物・郵便投函②簡単な掃除③力仕事・粗大ごみ搬出④日曜大工⑤電気製品の簡単な修理⑥電球等の交換⑦病院の付き添い⑧薬受け取り⑨日常のごみ出し⑩役所手続きの介助⑪PCの調整⑫押入れ・衣類の整理⑬ベランダの整理⑭その他となっており、ごみ出し、買い物、病院の付き添い等介助、清掃、PCの調整などが依頼の上位を占めています。会員からは「車椅子で通院していたので付き添ってもらい助かっている」「高齢の親と病弱な自分との生活なので日々のごみ出しは有難い」など好評を得ています。 
 また現在は高齢世帯を対象とした千葉市の助成・支援制度の指定業者となった家具転倒防止器具の取り付け業者としての活動にも力を入れています。
 さてそんなサポートの会で抱える問題も触れておきましょう。それはサポーターの高齢化、女性からの要望に対応する女性サポーターの不足、実働部隊の人数の少なさです。また他人を自宅に入れることを嫌い、支援を躊躇するということも見受けられます。これらを踏まえ今後は管理組合法人の活動とも連携し、活動を住民に広く告知していくことが不可欠だと考えています。 次号では若年層の取り込みを目指して開設したホームページについて述べたいと思います。

「ちばボランティア塾」第2期生募集
 
 千葉市民活動支援センターでは、これからボランティアをしたい方や、現在ボランティアをしている方に向けて基礎的な事項が学べる「ちばボランティア塾」を5月から開催する。現在受講中の第1期生に続いて今回は第2期生の募集で、6回のカリキュラムを受講すると修了証書が授与される。
 対象者は中学卒業以上なら誰でも参加可。日程は5月20日から8月5日までの土曜日10時から。会場は千葉市民活動支援センター会議室など。定員は25名で申込み先着順。参加費は無料。受講希望者は「ちばボランティア塾」参加希望の旨と必要事項を電話かFAXで連絡。またはQRコードから申込フォームに必要事項を入力し送信する。

【申込先】千葉市民活動支援センター
TEL:043ー227ー3081
FAX:043ー227ー3082
メール:info@chiba-npo.net
必要事項:「第2期」と記入②名前とフリガナ③住所(市区町村までで可)④連絡先電話番号⑤メールアドレス
有限会社稲毛新聞社
〒263-0043
千葉県千葉市稲毛区小仲台2-5-2-1001
TEL.043-256-4414
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